栄養学に基づく実践的・食材選定ガイド|鹿児島つながり整骨院が解説
2025/12/23
1. アスリート(プロ・成長期)

目標:エネルギー効率の最大化と怪我の予防
- ビタミンB群(代謝の潤滑油):
- 豚ヒレ肉・レバー: B1, B2, B6が豊富。特に糖質代謝を助けるB1は、運動量の多い選手には必須。
- 玄米・胚芽米: 白米に混ぜることで、糖質をエネルギーに変える補助因子を同時に摂取。
- ヘム鉄(酸素運搬):
- カツオ・マグロ(赤身): 鉄分と同時に良質なタンパク質を補給。
- 赤身の牛肉: ヘム鉄の吸収率が極めて高く、L-カルニチン(脂肪燃焼促進)も含まれる。
- マグネシウム(筋弛緩):
- あおさ・わかめ・海苔: 海藻類はMgの宝庫。味噌汁に必ず入れるよう指導。
- ナッツ類(アーモンド・カシューナッツ): 練習後の補食に最適。
2. 産後の女性

目標:組織の修復とメンタルの安定
- タンパク質(アミノ酸スコア100):
- 卵: 「完全栄養食」。1日2個を目安に。調理が簡単で産後の負担が少ない。
- ボーンブロス(骨出しスープ): 鶏ガラや魚の骨を煮出したスープ。消化力が落ちた産後でもアミノ酸を効率よく吸収でき、粘膜修復に働く「グルタミン」も豊富。
- 亜鉛・葉酸(細胞再生と造血):
- 牡蠣・ホタテ: 亜鉛は細胞分裂に必須。産後の抜け毛や肌荒れに。
- ブロッコリー・枝豆: 葉酸が豊富。造血だけでなく神経系の安定に寄与。
3. 慢性症状(腰痛・肩こり)

目標:抗炎症体質への転換
- オメガ3脂肪酸(天然の鎮痛剤):
- 青魚(サバ・イワシ・サンマ): EPA・DHAが炎症物質の産生を抑制。週に3回以上の摂取を推奨。
- 亜麻仁油・えごま油: 非加熱で摂取(ドレッシング等)。細胞膜を柔らかくし、物質交換をスムーズにする。
- 抗酸化ビタミン(組織の酸化防止):
- アボカド: ビタミンEが豊富。血流を改善し、「筋硬結」の緩和に。
- パプリカ・キウイ: ビタミンCはコラーゲン合成の必須因子。
4. 自律神経系(不眠・倦怠感)

目標:血糖値の安定と神経伝達物質の合成
- セロトニンの材料(トリプトファン):
- バナナ・大豆製品(納豆・豆腐): 朝に摂取することで、夜のメラトニン(睡眠ホルモン)に変換される。
- 血糖値安定のための良質な脂質:
- MCTオイル(中鎖脂肪酸): 寝る直前にスプーン1杯(またはお湯に溶かす)。寝ている間のエネルギー切れ(夜間低血糖)を防ぎ、食いしばりを軽減。
- ビタミンB6(神経安定):
- 鶏ささみ・ニンニク: B6はタンパク質からアミノ酸、さらに神経伝達物質を作る際の必須酵素。
5. 骨折・軟部組織損傷

目標:マトリックス(土台)形成の加速
- カルシウムと誘導因子:
- 干しエビ・ちりめんじゃこ: 骨ごと食べられる魚。カルシウムとタンパク質を同時に。
- 納豆: ビタミンK2が豊富。血管に浮遊するカルシウムを「骨」に接着させる役割。
- ビタミンD(吸収促進):
- 鮭・木耳(きくらげ): 小腸でのカルシウム吸収率を劇的に高める。日光浴も併せて指導。
- ムコ多糖類(関節・軟部組織):
- オクラ・山芋・なめこ: ネバネバ成分が結合組織の保水性を高め、組織の弾力性を回復。
6. 暴飲暴食(胃腸・肝臓疲労)

目標:解毒促進と内臓の休息
- 硫黄化合物(肝臓の解毒サポート):
- 玉ねぎ・キャベツ・ブロッコリースプラウト: 肝臓の解毒フェーズを助けるスルフォラファンやケルセチンが豊富。
- タウリン(胆汁分泌促進):
- タコ・イカ・貝類: 脂肪の消化を助ける胆汁の分泌を促し、肝機能を高める。
- カリウム(むくみ解消):
- バナナ・ほうれん草: 過剰な塩分と水分を排出し、内臓疲労による「重だるさ」を解消。
7. 術後・外傷後の「浮腫(むくみ)」

考え方: 怪我や手術の後の腫れが引かない場合、血管内の「アルブミン(タンパク質)」不足により、水分を血管内に保持できず間質に漏れ出している(浸透圧の低下)可能性が高いです。
- 分子学的視点: コロイド浸透圧の維持。
- 推奨食材:
- 鶏卵(白身): 最も効率よくアルブミン値を上げる。
- あさり・しじみ: 肝機能を高め、タンパク質合成をサポート。
- アドバイス: 「患部を冷やすだけでなく、卵を1日プラス1個食べて血管の保持力を高めましょう」
8. 高齢者の「サルコペニア(筋減少)」と「意欲低下」

考え方: 高齢者の筋力低下は、単なる運動不足だけでなく、胃酸分泌低下による「タンパク質消化不全」が原因です。また、意欲低下(フレイル)はコレステロール不足によるホルモン枯渇も関係します。
- 分子学的視点: 胃酸サポートとステロイドホルモン合成。
- 推奨食材:
- 梅干し・レモン(食事の直前): クエン酸が胃酸分泌を刺激し、タンパク質の消化を助ける。
- 青魚の脂: 脳の60%は脂質。認知機能と細胞膜の柔軟性を維持。
- アドバイス: 「お肉を食べる前に梅干しを一口食べると、筋肉に変わりやすくなりますよ」
9. 季節の変わり目の「ぎっくり腰」

考え方: 季節の変わり目は寒暖差により「副腎(アドレナリン分泌)」が酷使されます。副腎が疲弊すると、抗炎症ホルモン(コルチゾール)が作れなくなり、小さな負荷で急性の炎症(ぎっくり腰)を起こしやすくなります。
- 分子学的視点: 副腎疲労(アドレナル・ファティーグ)の予防。
- 推奨食材:
- 天然の塩(ぬちまーす、雪塩など): 副腎代謝に必要なミネラルを補給。
- パプリカ(赤・黄): ビタミンCの含有量がトップクラス。副腎は体の中で最もビタミンCを消費する臓器。
- アドバイス: 「季節の変わり目は、意識してビタミンCと良い塩分を摂ることで、腰痛の予防になります」
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