【座ると腰が痛い人へ】原因は“姿勢の悪さ”だけじゃない|同じ姿勢が続く腰痛の対策
2026/06/03
2026/08/29
「長く座っていると、だんだん腰が痛くなる」
「デスクワークの午後になると腰が重い」
「車を長時間運転したあと、腰がつらい」
「椅子から立ち上がる瞬間に腰が固まった感じがする」
そんな経験はありませんか?
座っていると身体を休ませているように見えるため、
「何もしていないのに、なぜ腰が疲れるの?」
と不思議に感じる方も多いと思います。
そして腰がつらくなると、
「姿勢が悪いから背筋を伸ばさないと」
と考えがちです。
もちろん、座る姿勢や机・椅子の環境は大切です。
しかし最近の研究を見ると、腰の負担を考えるときには**「良い姿勢か悪い姿勢か」だけでなく、“同じ姿勢がどれくらい続いているか”まで見ることが重要**だと分かってきています。
今回は、「座ると腰が痛い・重い」という方に向けて、デスクワーク中の身体で何が起こっているのかを整理していきます。
座っているだけなのに、なぜ腰が疲れる?
座ると、立っているときのように脚で身体を支える負担は減ります。
しかし、身体が完全に休んでいるわけではありません。
パソコンを見るために頭が前へ出たり、骨盤の位置が変わったり、左右どちらかへ身体を寄せたりしながら、私たちは無意識に姿勢を調整しています。
問題になりやすいのは、
「この姿勢が悪い」ことだけではなく、その状態が長く続くことです。
2025年に発表されたオフィスワーカーを対象としたレビューでは、座っている時間と腰痛との関連は研究によって結果が分かれていました。
一方で、休憩が少ないことや静的な座位が続くことなど、“座り方の行動”と腰痛との関連は比較的一貫して報告されています。
つまり、
「座っている=腰痛になる」
と単純に考えるのではなく、
「座っている間、身体をほとんど変化させていない」
ことにも目を向ける必要があります。
座っている=身体が休んでいる、ではない
「腰に必要なのは“完璧な姿勢”より、姿勢を変えられること」

“良い姿勢”を頑張りすぎていませんか?
腰がつらい方ほど、
「背筋を伸ばす」
「骨盤を立てる」
「絶対に脚を組まない」
など、“正しい姿勢”を保とうと頑張っていることがあります。
もちろん、極端に窮屈な姿勢を避けたり、机や椅子の高さを調整したりすることは大切です。
ただし、一日中守らなければならない唯一の正解姿勢があるわけではありません。
背もたれを使う。
少し座り直す。
足の位置を変える。
立ち上がる。
数歩歩く。
私たちの身体は本来、このような小さな変化を繰り返しています。
ですから、
「良い姿勢を固定する」より、「同じ場所に負担を集中させない」
という考え方を持ってみてください。
腰だけの問題とは限らない
長時間座っていると、動く機会が減るのは腰だけではありません。
股関節は曲がった状態が長くなり、背中や胸郭を大きく動かす機会も減ります。
そのため午後になると、
腰だけではなく、
「背中まで重い」
「お尻が固まった感じがする」
「立ち上がった直後、股関節が伸びにくい」
と感じる人もいます。
ここでも、
「お尻の筋肉が硬いから腰痛になる」
「骨盤が歪んでいるから痛い」
など、一つの原因だけに決めつけないことが大切です。
WHOも慢性腰痛について、身体的要因だけでなく心理的・社会的要因なども含め、その人の状態を総合的に見ることを推奨しています。
座ると腰がつらくなる要素は1つではない
「腰だけを見ず、1日の身体の使い方を見る」

あなたの座り方をセルフチェック
仕事中の自分を思い出してみてください。
□ 気づくと1時間近くほとんど姿勢を変えていない
□ 集中すると昼休み以外ほとんど立たない
□ 午後になるほど腰が重くなる
□ 立ち上がった直後に腰が固まった感じがする
□ いつも同じ脚を組む・同じ側へ寄る
□ 腰だけでなく背中やお尻まで重くなる
複数当てはまる場合は、姿勢を「直す」ことだけでなく、
姿勢を変える回数を増やす
ところから始めてみましょう。
座りっぱなし腰疲労セルフチェック
「姿勢の形より、“固定されている時間”をチェック」

今日からできる「腰を固めない」4つの工夫
① 完璧な姿勢より、座り直す
背筋をずっと伸ばし続けなくても構いません。
背もたれを使ったり、足の位置を変えたりしながら、同じ姿勢が続かないようにします。
② 仕事の区切りで一度立つ
「30分ごと」「1時間ごと」と決めても、仕事中は忘れがちです。
そこで、
メールを送り終えたら立つ。
電話は立って話す。
飲み物を取りに行く。
など、仕事の行動と立つことをセットにするのがおすすめです。
2025年のメタ解析では、パソコン上の通知などで休憩を促す介入により、オフィスワーカーの座位時間が減り、歩数が増えたことが報告されています。ただし、それだけで腰痛が必ず改善するとはまだ言えません。
③ 腰だけでなく身体を動かす
立ち上がったら、少し歩く。
背伸びをする。
胸を軽く開く。
股関節を伸ばすように立つ。
難しい運動でなくても構いません。
「座っている間に動かなかったところを動かす」
くらいの感覚で十分です。
④ 座ったまま骨盤をゆっくり動かす
すぐに立てない仕事では、椅子に座ったまま腰を軽く丸めたり戻したりして、骨盤を前後にゆっくり動かしてみましょう。
痛みを我慢して大きく動かす必要はありません。
「ずっと固定」を避けるための、小さな動きとして行います。
仕事中にできる「腰を固めない4つ」
「正解の姿勢を探すより、身体に“変化”をつくる」

こんな腰痛はセルフケアだけで様子を見ない
多くの腰痛は緊急性の高いものではありませんが、注意したい症状もあります。
特に、両脚の急な力の入りにくさやしびれ、股・お尻まわりの感覚低下、排尿・排便の異常などを伴う場合は、速やかに医療機関へ相談してください。また、発熱を伴う、事故や転倒後から強く痛む、急激に悪化している場合なども医療機関での確認を優先します。
「腰」だけではなく、座っている身体全体を見る
座っていると毎回腰がつらくなる場合、腰だけを揉んだり伸ばしたりしても、仕事に戻るとまた同じ状態になることがあります。
そんなときは、
どんな姿勢が長く続いているのか。
背中や股関節は動かせているのか。
左右どちらかへ負担が偏っていないか。
といったところまで確認することも大切です。
つながり整骨院では、腰だけを見るのではなく、姿勢・背中・骨盤まわり・股関節などの動きを確認しながら、身体のどこに負担が集中しやすいのかを整理します。
「座っていると毎日同じように腰がつらくなる」という方は、身体の使い方という視点も加えてみてください。
まとめ|腰に必要なのは「完璧な姿勢」ではない
座ると腰が痛いと、
「自分は姿勢が悪いからだ」
と思ってしまいがちです。
しかし、現在の研究では、腰痛を姿勢だけで単純に説明することはできません。
大切なのは、
同じ姿勢が長く続いていないか。
身体を動かす機会が減っていないか。
腰以外の場所も動かせているか。
という視点です。
一日中キープできる「100点の姿勢」を探すより、
座り直す。立つ。歩く。少し動かす。
今日の仕事中から、身体に小さな変化をつくってみてください。
次回予告
【水を飲んでいるのに足がつる人へ】“水分だけ”では足りない理由
「しっかり水を飲んでいるのに、夜中や運動中に脚がつる」
次回は、水分だけでは説明できない筋疲労・電解質・神経と筋肉の働きから、「足がつる」を整理します。
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